Departure's borderline

フリーランス編集/ライターのいろいろな興味事

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女の決断は、重くて儚い。-島本理生『Red』読了メモ & 映画化に寄せて

島本理生という作家の作品を手に取ったのは『ナラタージュ』が最初でした。 美しくも切ない、先生と生徒の踏み込んだ愛を描いたその作品は、今でも島本理生先生の代表作であり、「なにかオススメの恋愛小説ない?」と言われれば、私も一番にタイトルを上げる…

恩師が確かにここにいた。

小学校時代から定期的なやりとりの続く、恩師がいます。 正しくは、いました。 小学校3年生の時の担任の先生で、私はその先生が大好きでした。授業はおもしろいし、笑わすのが上手。私の些細な変化に気付いて話を聴いてくれる、本当にいい先生でした。強気で…

2019年のNHK「18祭」に救われた24歳の私 -[ALEXANDROS]の「Philosophy」に寄せて

※rockin'on.com 内、「音楽文」にて掲載していただきました。 ongakubun.com NHKの「18祭」という番組がある。1組のアーティストと、1,000人の18歳世代(満17~19歳)が、一夜限りのコラボレーションをするというイベントを、ドキュメンタリー形式で紹介する特…

“好き”を仕事にするって幸せ?

2020年3月号の光文社「JJ」。 表紙にドドンと書かれた特集タイトルは「”好き”を仕事にするって幸せ♡」でした。 JJ(ジェイジェイ) 2020年 03 月号 作者: 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2020/01/23 メディア: 雑誌 大学生をターゲットにした雑誌らしく、そ…

今年はナゴドに根尾くんを見に行くってきめた

2018年、金足旋風とかいう超チート級爆風を抑え付け、優勝してしまった大阪桐蔭高校野球部。決勝戦スタメンのうち、根尾、藤原、柿木、横川の4人がプロ入り。これはすごい。 千葉ロッテマリーンズ1位氏名の藤原くんは、2019年1年目から1軍6試合に出場。二安…

ラジオって。 -スピッツ「ラジオデイズ」

昔は、おじいちゃんが持っていたラジオチューナーで聴いていたラジオ。今や「radiko」のおかげで、誰もがラジオを聴ける端末を持ち歩き、スマートスピーカーに声を掛ければボタン操作すら不要でラジオを聴ける時代になってしまいました。 テレビを持たず、家…

[Alexandros]に青春捧げすぎて今日が受け止められない

間違いなく、私の青春は[Alexandros]に染まっていました。 初めてその音楽を聴いたのは中学2年生の頃。たまたま入ったCDショップの視聴コーナーで[Champagne]の1stシングル「city」を聴いたことでした。そのリアルタイムでは、「ふうん、かっこいいけど」程…

ぜんぶイイ楽曲、が詰まったアルバムはアリなのか -King Gnu 3rdアルバム「CEREMONY」

正直全部イイです。 「開会式」というタイトルがつけられたインスト曲、タイアップ曲4つ、内キラーシングル「白日」。「幕間」を挟んで「飛行艇」から始まるタイアップ曲3つと2つのバラード。そして常田さん渾身のチェロが呻る「閉会式」…。 全部、全部イイ…

伊藤計劃DNAを繋げ -ハヤカワSFマガジン『伊藤計劃トリビュート2』読了メモ

私が敬愛する、伊藤計劃という作家は、たった2つの長篇を残し、34歳という若さでこの世を去りました。あまりにも若く、あまりにも惜しい。そう思える、ゼロ年代を圧倒するSF作家だったと思います。 彼がこちらを旅立って、早10年。次の3月で、もう11年になり…

2010年代私的ベストアルバム25

もう年は明けてるので、まあこのタイトルはノリ遅れたっていうことにはなるんですが、私の生活の軸である野球のオフシーズンは、どうしてももう一つの軸である音楽に傾倒してしまうわけです。 この時期になると、毎年のように「さあライブにいくぞー!」と意…