Departure's borderline

本と音楽とディズニーと野球、その他いろいろな興味事

読了メモ

とてもあたたかく、おいしい5年間をありがとう。 -小湊悠貴『ゆきうさぎのお品書き』シリーズ読了メモ

「おいしい」は笑顔に直結するものだと思っています。 どんなに疲れていても、悲しいことがあっても、あたたかくておいしいものを食べたならば、ほっ、と肩の力が抜け、口元がやわらかくなる。それは他人が作ってくれた料理でも、自分が作った料理でもおなじ…

少女が翔ける。力強く。-村山由佳『天翔る』再読了メモ

「エンデュランス」という競技を知っていますか。 馬術競技の一種で、数十キロ、長いものでは150キロを超える距離を、馬と騎手が単独で走破する競技です。ただ走破すればよいだけではなく、区間ごとに獣医師が待機、馬の健康状態を診断し、その診断をクリア…

東京のカフェが最強の海外旅行 -近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』読了メモ

色々なジャンルの小説を読んでいると、たまーに来る「メシモノ小説読みたい欲」。バレンタインが過ぎたあたりから、甘味の効いた小説が読みたくなって、本屋に足を運びました。その時たまたま目に入ったのが今回の作品。近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』…

女の決断は、重くて儚い。-島本理生『Red』読了メモ & 映画化に寄せて

島本理生という作家の作品を手に取ったのは『ナラタージュ』が最初でした。 美しくも切ない、先生と生徒の踏み込んだ愛を描いたその作品は、今でも島本理生先生の代表作であり、「なにかオススメの恋愛小説ない?」と言われれば、私も一番にタイトルを上げる…

伊藤計劃DNAを繋げ -ハヤカワSFマガジン『伊藤計劃トリビュート2』読了メモ

私が敬愛する、伊藤計劃という作家は、たった2つの長篇を残し、34歳という若さでこの世を去りました。あまりにも若く、あまりにも惜しい。そう思える、ゼロ年代を圧倒するSF作家だったと思います。 彼がこちらを旅立って、早10年。次の3月で、もう11年になり…

これが、16歳が描く20代。-青羽 悠『星に願いを、そして手を。』読了メモ

ずっと気になっていた、第29回小説すばる新人賞、史上最年少受賞作。当時作者である青羽先生は16歳。2000年生まれ。現在も10代なのかぁ・・・、若いなぁ。 10代の描く「大人になったばかりの大人」視点は、あまりに脆く、儚く、夢に満ちたものでした。『星に願…

だいたい人間関係はアンバランス 加藤千恵『アンバランス』読了メモ

私は結構ドロドロとした、こっくり濃いめの恋愛小説が好きなのですが、今回手にとったこの作品も例に漏れない激重恋愛小説でした。カトチエ作品の最新文庫化?作品『アンバランス』です。 アンバランス (文春文庫) 作者: 加藤千恵 出版社/メーカー: 文藝春秋…

新潮文庫の100冊 2019年

今年も、各出版社の文庫フェスがやってきましたね。 出版社とか関係なく、まんべんなく小説を読む方だと思って居るのですが、新潮文庫の100冊は毎年必ずチェックしています。 今年もいいラインナップが揃っているので、注目作品と既読作品(ほぼ全てが現代小…

スカイ・クロラ考察 第2回

今まで、こちらのブログをメインの解釈(やや私の考察とズレているところはあるものの、大変よくまとまっているので、読み物として面白いブログだと思います)として扱ってきました。前回の私のブログも、同様にこちらの解釈を根本としています。 「キルドレ」…

スカイ・クロラシリーズをほんの少し考察する

『スカイ・クロラ』というシリーズ小説が好きです。 もともと、小説は幅広く読むんですが、森博嗣作品は『スカイ・クロラ』シリーズと『S&M』シリーズ(『すべてがFになる』からのシリーズ)が特に好きで、年に1回はどちらも通しで読んでいます。 『スカイ・ク…

最近の読了まとめ

3か月放置してました。びっくり。夏がもうほぼほぼ終わっちゃって、元夏女としては悲しいところ。私はといいますと、本業のほうは転勤休みをいただきまして、5年ぶりくらいのニート生活を楽しんでます。いや暇すぎてほんと早く働きたい。 副業(?)は順調です…

音の繊細さと美しさを改めて想う 小説・映画『羊と鋼の森』

1歳半からソルフェージュとピアノを習っていました。物心ついた頃から家には母の使っていたアップライトピアノがあり、それはやがて自分のためのグランドピアノに変わりました。 音大を真剣に目指していたため(のちに金銭面で断念)、一日3時間はピアノを弾…

少年が青年に成長し、壮年を迎えるお話 ー『爽年』読了メモ

今年の桜は特に早かったですね。気づいたら葉桜でした。 日本人は本当に桜が好きだと思う。 気象情報で毎日のように開花予想を眺め、三分咲きにでもなろうものなら、お酒を片手に気のしれた人々と外へ繰り出す。卒業式、入学式、入社式…人生の節目にはだいた…

女に振り回される男の類~『水を抱く』読了メモ

『娼年』シリーズに出会って以来、石田衣良先生の恋愛小説ファンです。少し浮世離れした、世界を達観する男性。何かとコンプレックスを抱く女性。生々しい性描写。描かれる繊細な背景。すべてに惚れています。 新潮社から出ているこの『水を抱く』は、『眠れ…

奇数多角関係はどうしても犠牲が出る~『Just Because!』読了メモ

アニメ化されてから、タイトルだけは知っていた『Just Because!』をやっと読み終えました。やっとと言っても読み始めたのは今日なので、実質3時間くらいで読み終えてます。手軽なラノベ感があるのは、やっぱりメディアワークスのいいところ。 Just Because! …

春は桜色、姫は純白。~『キャロリング』を読んだ

クリスマスは過ぎたけど、というよりもう2月だけれど。 有川浩先生の『キャロリング』を読みました。 キャロリング (幻冬舎文庫) 作者: 有川浩 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/12/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 有川浩先生の…

ちょっと前だけど『広辞苑第七版』が出た…『舟を編む』読み直し

2018年1月12日に、実に十年ぶりとなる『広辞苑』の改定版、第七版が出ました。 物書きを生業としている端くれである以上、辞書は生活に欠かせないものです。今は、スマホが発達してしまって、紙の辞書をひくことってあまりないのだけれど、頼まれてエッセイ…