Departure's borderline

フリーランス編集/ライターのいろいろな興味事

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少女が翔ける。力強く。-村山由佳『天翔る』再読了メモ

「エンデュランス」という競技を知っていますか。 馬術競技の一種で、数十キロ、長いものでは150キロを超える距離を、馬と騎手が単独で走破する競技です。ただ走破すればよいだけではなく、区間ごとに獣医師が待機、馬の健康状態を診断し、その診断をクリア…

サカナクションと越える夜 -サカナクション『#夜を乗りこなす』

ライブにいけない。今月は4本、来月はフェスも含めて6本ライブが飛んでいる。生音を浴びることで生きることを感じている私みたいなmusic loversは生きた心地がしないですよ。ほんとうにね。 ここ最近、サカナクションが毎週土曜日にYouTubeでライブの配信を…

春のヒゲダンはさわやかなエールソング -Official髭男dism「パラボラ」

2019年の音楽シーンといえば、ヒゲダンだったと思います。 「Pretender」という最強のキラーチューンを手にした彼らは、あらゆるサブスクリプションで上位を総ナメ。その後発売したアルバム「Traveler」はもちろん、2020年2月に発売したシングル「I LOVE…」…

2020年度ラジオ改編

2020年度が始まりましたね。 今の会社に入社したのは12月だし、大学を卒業したのは9月なので、あまり4月で区切りという気持ちはないのですが、周りが「社会人○年目突入!」なんて言っているのを見ると、あー春がきたなー!って思います。 今年度も、本業と並…

頼むからNHK朝の連続テレビ小説『エール』を見てくれ

今季のNHK朝の連続テレビ小説『エール』。 初回からインパクトたっぷりで、「え?朝ドラ?」と思わせる演出を詰め込んだ今作。今後が楽しみでなりません。 www.nhk.or.jp 『エール』は大正~昭和時代を舞台に、老舗呉服屋の長男である古山裕一とその妻で歌手…

9回目の3.11

「3月11日、大変だったよね」 そんな会話は、今でも飲みの席やらで、頻繁に行われています。すでに思い出話の域になっていることを、直接的被災者ではない私達は恐れるべきであって、未だに被災の痕が強く遺る地域が多くあること、まして元いた地域に戻れな…

うちら、ここで歌っとるよ。- Perfumeに「魅せられる」ということ

※rockin'on.com 内、「音楽文」にて掲載していただきました。 ongakubun.com Perfumeというグループが大ブレイクしたのは2007年。かの有名な「ポリリズム」が大ヒットしたのがきっかけだろう。私は当時小学6年生。リビングで眺める音楽番組に出演するPerfume…

東京のカフェが最強の海外旅行 -近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』読了メモ

色々なジャンルの小説を読んでいると、たまーに来る「メシモノ小説読みたい欲」。バレンタインが過ぎたあたりから、甘味の効いた小説が読みたくなって、本屋に足を運びました。その時たまたま目に入ったのが今回の作品。近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』…

女の決断は、重くて儚い。-島本理生『Red』読了メモ & 映画化に寄せて

島本理生という作家の作品を手に取ったのは『ナラタージュ』が最初でした。 美しくも切ない、先生と生徒の踏み込んだ愛を描いたその作品は、今でも島本理生先生の代表作であり、「なにかオススメの恋愛小説ない?」と言われれば、私も一番にタイトルを上げる…

恩師が確かにここにいた。

小学校時代から定期的なやりとりの続く、恩師がいます。 正しくは、いました。 小学校3年生の時の担任の先生で、私はその先生が大好きでした。授業はおもしろいし、笑わすのが上手。私の些細な変化に気付いて話を聴いてくれる、本当にいい先生でした。強気で…

2019年のNHK「18祭」に救われた24歳の私 -[ALEXANDROS]の「Philosophy」に寄せて

※rockin'on.com 内、「音楽文」にて掲載していただきました。 ongakubun.com NHKの「18祭」という番組がある。1組のアーティストと、1,000人の18歳世代(満17~19歳)が、一夜限りのコラボレーションをするというイベントを、ドキュメンタリー形式で紹介する特…

“好き”を仕事にするって幸せ?

2020年3月号の光文社「JJ」。 表紙にドドンと書かれた特集タイトルは「”好き”を仕事にするって幸せ♡」でした。 JJ(ジェイジェイ) 2020年 03 月号 作者: 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2020/01/23 メディア: 雑誌 大学生をターゲットにした雑誌らしく、そ…

今年はナゴドに根尾くんを見に行くってきめた

2018年、金足旋風とかいう超チート級爆風を抑え付け、優勝してしまった大阪桐蔭高校野球部。決勝戦スタメンのうち、根尾、藤原、柿木、横川の4人がプロ入り。これはすごい。 千葉ロッテマリーンズ1位氏名の藤原くんは、2019年1年目から1軍6試合に出場。二安…

ラジオって。 -スピッツ「ラジオデイズ」

昔は、おじいちゃんが持っていたラジオチューナーで聴いていたラジオ。今や「radiko」のおかげで、誰もがラジオを聴ける端末を持ち歩き、スマートスピーカーに声を掛ければボタン操作すら不要でラジオを聴ける時代になってしまいました。 テレビを持たず、家…

[Alexandros]に青春捧げすぎて今日が受け止められない

間違いなく、私の青春は[Alexandros]に染まっていました。 初めてその音楽を聴いたのは中学2年生の頃。たまたま入ったCDショップの視聴コーナーで[Champagne]の1stシングル「city」を聴いたことでした。そのリアルタイムでは、「ふうん、かっこいいけど」程…

ぜんぶイイ楽曲、が詰まったアルバムはアリなのか -King Gnu 3rdアルバム「CEREMONY」

正直全部イイです。 「開会式」というタイトルがつけられたインスト曲、タイアップ曲4つ、内キラーシングル「白日」。「幕間」を挟んで「飛行艇」から始まるタイアップ曲3つと2つのバラード。そして常田さん渾身のチェロが呻る「閉会式」…。 全部、全部イイ…

伊藤計劃DNAを繋げ -ハヤカワSFマガジン『伊藤計劃トリビュート2』読了メモ

私が敬愛する、伊藤計劃という作家は、たった2つの長篇を残し、34歳という若さでこの世を去りました。あまりにも若く、あまりにも惜しい。そう思える、ゼロ年代を圧倒するSF作家だったと思います。 彼がこちらを旅立って、早10年。次の3月で、もう11年になり…

2010年代私的ベストアルバム25

もう年は明けてるので、まあこのタイトルはノリ遅れたっていうことにはなるんですが、私の生活の軸である野球のオフシーズンは、どうしてももう一つの軸である音楽に傾倒してしまうわけです。 この時期になると、毎年のように「さあライブにいくぞー!」と意…

あけましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。2020年は25歳になります。アラサーか…と呟いたら、まだそれはアラサーではないと言われました。四捨五入したら30やん。 さて年末は今年もCDJに行き、同じ大学の数少ない友人とはしゃいできました。サークルとお仕事に大…

2019年、ありがとうございました。

仕事納めといいつつ、この一週間は仕事というような仕事もなかったので、細々としたタスク処理と帳票整理で終わりました。実質今週は座ってただけみたいなもんですね。苦痛だったー。 2019年も、こちらに足をお運びいただきありがとうございました。2018年2…

人生ずっと、全盛期。

24年生きてきて、はじめて髪を染めました。今までずっと黒髪を貫いてきたのですが、なんとなく「この人にはなにされてもいいかな(変な意味でなく)」と思える美容師さんに出会えたので。 茶色?アッシュ?そんなんつまらない! やるなら色をちゃんと入れよう…

忘年会シーズンが、たぶんおわりました。

社会で働くようになってから、ありがたいことに年々忘年会に呼ばれることが多くなりました。今年も12月頭から私の忘年会シーズンスタート。忘年会ではない飲み会を含めると、今日(20日)まで、休肝日はたったの2日。この丈夫な肝臓を持たせてくれた両親に感謝…

紙に、もどりたいか?

WEBメディアである今の会社に来て、とうとう1年になりました。 本当に、あっという間。今の編集部はとっても平和で、毎日のほほんと記事を書き、編集しています。時事や人を追いかける媒体でない以上、土日はほぼ確実に休みだし、夜は眠れるし、深夜に電話で…

厭味に気付かないおはなし

先日、営業部署の新卒の女の子とお酒を飲んできました。そこそこいろんなお酒をちゃんぽんしたがりな私のペースに、ぐいぐい着いてくる優秀な女の子笑。しょっちゅうお酒も一緒に飲んでくれて、最近はプライベートでも遊んでもらってます。かわいがり甲斐し…

たばこのおもいで

父は愛煙家でした。超ヘビースモーカーで、1日2箱くらいは空けてたんじゃないかな。実家の壁紙は、新築当初真っ白だったのに、今ではずいぶんと黄ばんでしまいました。 父は膵臓が悪く、幼い私のよく知っている父は点滴につながれていて、げっそりとした人で…

残業時間のおはなし

昨日、先月末でうちの会社を退職し、某大手IT企業に転職した営業さんと会ってきました。 「まだ1か月だけど、だーいぶホワイト。営業だからって残業をするのがデフォルトじゃないのはすごくラクだよ。」と楽しそうに語る営業さんは、数ヶ月前と比べて顔色も…

高崎マーチングフェスティバル第30回記念大会

10月19日(土)~20日(日)にかけて、高崎マーチングフェスティバル第30回記念大会に参加してきました。 高崎マーチングフェスティバルとは 30周年記念バンド フロアドリル各団体(抜粋)感想 まとめ 1.高崎マーチングフェスティバルとは 高崎マーチングフェス…

これが、16歳が描く20代。-青羽 悠『星に願いを、そして手を。』読了メモ

ずっと気になっていた、第29回小説すばる新人賞、史上最年少受賞作。当時作者である青羽先生は16歳。2000年生まれ。現在も10代なのかぁ・・・、若いなぁ。 10代の描く「大人になったばかりの大人」視点は、あまりに脆く、儚く、夢に満ちたものでした。『星に願…

巨人が優勝したおはなし

5年前、私は19歳でお酒が飲めませんでした。2014年、巨人がリーグ優勝した時には、うれしそうに騒ぐ大人を横目に、ウーロン茶をすすっていたものです。 月日は流れ、キャプテンは阿部選手から坂本選手に、監督は高橋由伸監督が務めた3年を経て、原辰徳監督に…

人と会う、ということ

昨日のおはなし 昨日、たまたま知り合ってご連絡をいただいた野球ライターさんと会ってきました。たまたま知り合って、といえど、私は2年程前からそのライターさんの記事をそこそこ読み込んでいたというのが発端。偶然Twitterをフォローしていただき、それに…