Departure's borderline

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少女漫画の世界だと思ってた。現実だった。 -平子祐希『今日も嫁を口説こうか』読了メモ

 

最初に断っておくと、私には「いい恋愛」の経験があまりありません。

はじめてお付き合いをした男性とは半年ほどで自然消滅したし、高校時代から4年半ほど付き合った方は浮気相手とのお子さんができて別れたし。んで、なんだかんだつい最近、久しぶりにお付き合いをした彼氏にフられたし。だいたい私が「好き好き」って依存して、飽きられてフられるの繰り返しです。

 

20代も半ばに差し掛かってきて、実家や祖父母からはいい人はいないのかとせっつかれるお年頃。しょうがないじゃん、まだ出会ってないんだもん。

 

 

『今日も嫁を口説こうか』は、お笑いコンビ・アルコ&ピースの平子祐希さんが書かれたエッセイ。TBSラジオで毎週火曜日深夜24:00~放送中の「アルコ&ピース D.C.Garage」をヘビーで聴いていたこともあり、発売当初から気になっていました。

 

初出は2020年10月。私が小説以外の本を読むことは珍しいのですが、なかなかに深く刺さってしまいました…。

せっかくなので読了メモを残しておこうと思います。

 

今日も嫁を口説こうか (扶桑社BOOKS)
 

 

その男の愛し方は“バカバカしいが、どこか本能にひっかかる”。付き合いたての高校2年生カップルの熱量を16年間キープする、夫婦愛の秘密とは。

「BOOKデータベース」より

 

以下、若干ネタバレあります。

  1. 真由美さんがうらやましいと思う気持ち
  2. 「平子ってる」がここにはあるのか
  3. まとめ

 

 

1.真由美さんがうらやましいと思う気持ち

アルコ&ピース、あるいは平子祐希という人物をある程度知っていくと、その後ろに真由美さんという女性の姿が出てきます。平子さんがよく「真由美が~」「真由美ちゃんは~」と、惚気る女性その人こそが平子さんの奥様です。

 

平子さんはもとより愛妻家として知られており、私もラジオ等の情報から「とっても仲の良い夫婦なんだな」「若干その愛の質量がぶっ飛んではいるな」というイメージがありました。AbemaTVで放送されている、千鳥の『チャンスの時間』では、ほぼ準レギュラーとして出演、愛や夫婦生活などといった話題ではユーモアも交えながら、時々グッと心に刺さる名言を繰り出しています。

 

 

今回も、「どうせ、真由美さんの惚気を詰め込んだだけでしょ」と思ってました。

実際そう。超超超超超惚気。
でも不思議とそれがイヤじゃないし、その通りだと思うことが多かったんです。真由美さんとの「衝撃的で運命的な出会い」の部分を除けば、あとはすべて自分の努力次第で叶えられる「夫婦愛メソッド」が綴られていました。

 

大事なのはその「衝撃的で運命的な出会い」の部分。

 ねちっこくもない、セクシャルなにおいも特にない、恋愛感情など持ちようもない相手だからこそできる、友達同士のふざけたハグ。

 しかしその瞬間、今までの誰とも感じたことのない感覚が全身を貫いた。

(中略)

 すると真由美がバッと体を離すと、驚いたような顔で僕に言った。

「私たち、もともとひとつだったんじゃない!?」

 

 おいおい、こんなロマンチックな出会い、私はまだしたことがないぜ?

この部分さえクリアすれば、きっとあとは努力次第でどうにでもなるのに、肝心なこの部分が一番キツいと思うんですよね。こんな運命的な出会いができた真由美さんはうらやましい。

 

 

2.「平子ってる」がここにはあるのか

 

平子さんのコントとか悪ふざけのことを、「平子ってる」と表現することがあるのですが、この本に「平子り」は感じられませんでした。

 

全部本心すぎて、逆に「平子りっぽい」を感じることはあっても、フィクションではないなと思うし。

 

いつもの「平子ってる」平子さんは、この気持ちを内に秘めたまま、自分のことを大きく見せたいだとか、かっこ悪い部分をちょっと隠しておきたいだとか、そういう気持ちがある余所行きの平子さんなんじゃないかなぁと思って。

テレビ番組で「かっこ悪いところ見せて行こうぜ」と言っている平子さんと、本著で「嫁にモテるために必死」と言っている平子さん、平子ってるのは前者だと思う……。

 

ちょっと難しい話題すぎて私の日本語がまとまらなくなってきました。

 

3.まとめ

 

結局何が言いたかったかというと、私に恋人ができたなら、この本を手渡したい。

 

あと私に旦那ができたなら、平子さんに「平子さんっぽいを目指してもらうわけじゃないけど、その人らしく守ってもらい、守ります」と宣言したい。

 

 

平子さんすごいです。名著!

あと、ところどころに出てくる酒井さんの言葉が一番刺さりましたっていうのはナイショ。